日産スカイラインGT-R。車好きなら誰もが、そうでない方でも一度は耳にしたことのある車名でしょう。
1969年、日産スカイラインのGTレーシング仕様車がそのままの形で発売されました。まさにレーシング直系マシンです。国内で絶大な人気を得たSKYLINE GT-Rは、その後映画『ワイルドスピード』への登場で世界に名を轟かせることになります。“最強のSKYLINE GT-R”と呼ばれたR34は、海外で伝説のマシンとして偶像化されているほどです。
そんな神機SKYLINE GT-Rですが、発売当初のデザインはアメ車のパクリでした。「ハコスカ」と呼ばれた初代はDodge Coronet R/Tをパクったと言われ・・・・
二代目はDodge Challengerをパクったと言われています。異論は認めますが、当時の日本は今の中国のようにパクりにパクって経済成長を続けていた時代であったことは間違いありません。
自動車業界ではパクリによってSKYLINE GT-Rが生まれましたが、VAPE界ではCoppervape Skylineというクローンが本家ESGのSKYLINE RTAをパクって生まれました。
クローン SKYLINE RTAっぽいモノを買いました。
径 | 22mm |
高さ | ポジピン除くDT込63mm(実測) |
デッキ | 2ポスト 2ホール |
タンク | 4ml |
パクりから生まれたスカイラインGT-RとクローンSKYLINE RTA、どちらが工業製品ととして優秀なのでしょうか。
長尺RTAです。一番右側に見慣れない3つのパーツがあります。なんなのでしょうか、これは。
初代スカイラインGT-Rのロゴです。今の時代だとクローンSKYLINEに軍配が上がりますかね。このロゴは"デザインされたモノ"とは言えません。
RTA本体をバラしました。まだバラせるのかもしれませんが、めんどーなので止めておきます。長尺RTAはパーツ点数が多いので正直ウザいですね。予備タンクは付いていないので、パキッとやっちゃうと終了です。短命の予感をひしひしと感じますね。
それに対して初代スカイラインGT-Rは誕生して半世紀が経つというのに専門店が存在します。お金はかかりますが、安心して長く使えるというわけですね。
クローンSKYLINEのデッキです。ボトムエアフローのシングルコイル前提のデッキですね。どんなウィッキングをすればいいのだろうと悩む一瞬ですが、てきとーでいいです、そんなの。
後のGT-Rはターボエンジンを積みますが、初代スカイラインGT-Rは自然吸気エンジンでした。自然のエアをそのまま利用するという点においては、GT-RとクローンSKYLINEは共通しています。
ポジピンの出っ張り具合はこんな感じで微妙なところです。ネジを出してやればメカニカルMODで使えないことはないのでしょうが、なんか嫌な予感がするので止めておきます。
安全マージンの少なさと言えば、初代スカイラインGT-Rも同じです。現代の車と比較すれば「走る棺桶」と呼んでも差し支えないでしょう。エアバックも無ければABSもありません。1969年当時は自動ブレーキシステムの"じ"の字も無かったことでしょう。
チムニーパーツとドリップチップベースの真ん中が双方六角形になっています。これはデザインでもなんでもありません。ジュースホールの開閉でドリップチップベースをくりくり回すのですが、そのとき一緒に回らないといけないチムニーパーツも合わせて六角になっているのです。
ジュースホールはシャッター式です。ドリップチップベースをくりくりと回してやると、上からシャッターが降りてくるようにジュースホールが閉ざされていきます。
初代スカイラインGT-Rのジュースホール、いやフューエルリッド(給油口)の開閉はがちゃがちゃと車のキーを使います。どう見てもクローンSKYLINEのほうが上品ですね。
ただ、ふと気づくと親指にたくさんの切り傷ができていました。チムニーパーツ側の切削がキレッキレなので気をつけないと血ぃ出そうです。"上品"と褒めてやったにも関わらず、ぬかよろにケンカ売ってますね。
ここはアート系クラプトンコイルでいってみます。特に意味はありません。
初代スカイラインGT-Rのエンジンルームを眺めていたら、なんとなくそれがいいような気がしただけです。
ウィッキングはこんな感じ。けっこうジュールホール周りを中心にクイクイっと詰め込んでみました。
リキチャはトップフィルですね。他のRTA同様、ジュールホールを全閉にしてからリキチャをしましょう。ホールが開いていると圧の関係で漏れますよ。リキチャはひと手間分、めんどーな構造になっています。トップリング→ドリップチップベースの順に外してからリキチャ。
エアホールは二ヶ所。これ、穴二つとも片側に寄っているんですよ。画像の向こう側にエアホールはありません。
クラプトンコイルで組んでいるので、高めの出力で吸ってみます。0.4Ω50W・・・
・・・あっつっ!細めのダクトを通ってきたミストがあっつあつです。ただ、高出力でいった割にはしっかりと味は乗ってきます。普通に予想してましたが、熱くてチェーンはできませんね。
スカイラインGT-Rは高出力エンジンを載せていたわりには熱には強かったようです。レースではオーバーヒートに悩まされていたようですが、市販車はユーザーの許容範囲に収まっていたのでしょう。
日産のエンジニア榊原 雄二(写真の一番左)。初代スカイラインGT-Rのエンジン開発者です。タフなエンジンを作らせたら彼の右に出る者いなかったそうですね。
アトマイザー分解画像の一番右にあったこのパーツ。下のふたつはデッキ内のエアホールの大きさを変更させるモノ、上はそのパーツを付け外しするモノでした。
左から「ノーマル」、「小さい穴3つバージョン」、「ひとまわり小さい穴バージョン」。エアホールにパーツを差し込んで、エアの流入量を調整します。
ひとまわり小さい穴バージョンにして、今度はふつうにカンタル単線1.2Ωでビルドします。
Tesla Stealth 100Wに載せてみました。見栄えはいい感じ。
見栄えではスカイラインGT-Rも負けてはいません。私が一番好きな型はR34 GT-R。初代はともかく、このR34の見栄えに勝てる車は未だに現れていません。(そんなことはないか・・)
何Wで出力されているのかよくわかりませんがStealthで吸ってみます・・・
・・・おっもっ!デッキ内のエアホールをひとまわり小さくしただけで食感がめちゃくちゃ変わります。ただ、これは重すぎる。エアホールを全開にしてもまだ重いのです。私は直肺(DL)派ですので、これではきつい。
これ以上デッキ内エアホールを小さくすると直肺(DL)は無理なのではないでしょうか。口吸い(MTL)派の方は「小さい穴3つバージョン」をどうぞ。
DL派に使ってもらうために「ひとまわり小さい穴バージョン」が取るべき策は一つ。ドリップチップの変更です。画像左はクローンSKYLINEの標準品、右がぬかよろ手持ちのドリップチップです。
内径の大きなドリップチップに替えて吸ってみます。1.2Ω18Wで・・・
・・・これです、これ。まだ少しドローが重いですが、味の出方とエアの食感のバランスが取れました。クローンのくせにオーセンのKayfun V5に並んだかもしれません。しばらく運用していましたが、そこそこ手荒に扱ってもまったく漏れませんでした。造りもきれいだし味もいい。なんかいい感じです。クローン製品ですのでお勧めはしませんが、うちに届いたクローンSKYLINE RTAはなかなかいいものでした。
さて、工業製品としての出来は日産スカイラインとクローンSKYLINE RTAのどちらが優秀だったでしょうか。
いいですか、みなさん。そんなもの比べてなんになるというのですか。そもそも、自動車とアトマイザーを比べる意味はどこにあるのでしょう。 私はみなさんがなに言ってるのかさっぱりわかりません。反省してください。
ればVAPEは不審物。利用者のモラルが試されています
ニコチンは毒物。取り扱いは法律に沿い、細心の注意をもって